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技術者倫理と出世

技術者倫理は出世との関係で論じられることは少ないだろう。

出世の概念を、世の中に出ること、すなわち世の中のためになることをすることと考えると、技術者倫理は出世に直結するということができるだろう。

技術者倫理を考えない方がむしろ出世につながるという考え方もあろう。しかし、それは表面的な考え方ではないだろうか。そのような考え方で出世をした人は、出世をしたという実感が得られるだろうか。

技術者倫理を守っている技術者は、技術者であることに誇りを高く持つことができる。これが精神的な出世なのではないだろうか。

技術者倫理という意識を強く持つことは、技術者の精神的な地位を高め、技術者の出世につながるだろう。
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技術者、研究者の処世術としての賞の獲得

優れた技術者、研究者でも、賞などを獲得しないと、処世術に長けた人が評価しないことがありうる。

処世術に長けた人が、本当は優れた技術者、研究者を、社会の中で評価しないのは問題だろう。技術者、研究者が賞などを獲得した途端に、処世術に長けた人が扱いを大きく変えることもありうる。

このように、技術者、研究者のための賞を作ることは、優れた技術者、研究者が、処世術に長けた人から評価されるために、重要となる。

その意味でも、多くの賞を創設することは、技術者、研究者の地位向上のために必要である。年収1億円1万人計画はその一例である。

優れた技術者、研究者は、賞を獲得したり、論文を書いたり、特許を出したり、学位をとったり、資格を取得したりという行為を面倒くさく思うことがあるだろう。

そんな活動をしなくとも、よい研究、よい技術さえあれば良いと思ってしまうかもしれない。

しかし、処世術に長けた人は、そういう技術者、研究者を評価しないことがありうる。本来は、よい研究、よい技術さえあれば良いのだろうが、身にふりかかる火の粉は払わなければならないだろう。

賞の獲得、論文の出版、特許の出願、学位取得、資格取得などの、世俗的な評価基準にもある程度迎合していくことが、出世につながるのではないだろうか?

もっとも、本来は、その人の研究や技術を、周りの人がきちんと評価できることが理想なのであろう。
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技術者のユートピア

技術だけに打ち込んでいれば、会社でどんどん出世し、役員待遇が与えられる社会があったらどんなに良いだろうか。

技術者のユートピアといってよいだろう。

残念ながら、現在の状況はそうなっていない。会社で一番地位が高いのは、経営に携わっている経営陣であって、技術者ではない。

この現状を社会的に変えるという方向が理工系の地位向上運動である。

しかし、本ブログでは、「私の出世」という観点から、現状を前提に、理系の出世を考えている。

そうすると、技術者はユートピア思想を捨てて、経営に関係することを広く勉強するということになるだろう。

技術者は、技術だけをすればよいという思想が広がっている。物作り至上主義などもその一例であろう。

マネジメントなどに興味を持つ技術者を、周りの技術者は蔑視したり、技術者から落伍した者とみなすかもしれない。

しかし、そのような考え方は誤りであろう。技術マネジメントや、さらには技術系の会社の経営も、立派な技術職である。

純粋な職人的技術者だけが真の技術者であるという考えを流布させ、五人組のように技術者同士が、経営等に興味を持つことを邪道とする雰囲気こそが、技術者の社会的な地位を押し下げるのである。

出世を目指す技術者は、そのような周りの雑音を無視し、経営に関することを広く勉強することが重要であろう。

技術をより広い視野で捉えていくことが重要となるだろう。技術は単独で存在するのではなく、製品があり、サービスがあり、市場がある。

マーケッティングなどは、広い意味での技術職である。マーケットがどうなるかが分からなければ、どのような製品が必要か、重要な技術が何かがわからず、技術開発の方向性を効果的に定められないからである。

技術者はユートピア思想を捨てて、経営に関係することを広く勉強し、会社経営の中枢にかかわるべきである。そうすれば、社会的な力を得て、技術者のユートピアに近づくために貢献することができるだろう。

すなわち、技術だけに打ち込んでいれば、会社でどんどん出世し、役員待遇が与えられる社会の実現に近づくのである。
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研究者の出世

研究者の場合、自己実現の道は良い研究をすることでしょう。しかし、良い研究をしても、ノーベル賞でも取らない限り、役員と同様の待遇が与えられてはいないことが多いのではないでしょうか。

特に基礎研究者の場合、会社の経営に転ずることが難しく、会社の中で役員待遇を得ることが難しいかもしれません。

会社の経営に転ずる場合、マネジメント等をしなければならず、研究活動を犠牲にすることになるでしょう。これを嫌う研究者が多いのですが、マネジメントに残らずに、役員待遇にしてくれる会社は多くないでしょう。

会社を辞めて、アカデミックポストを目指すことも考えられます。会社から、大学に移るために論文を書いている人も多いでしょう。しかし、アカデミックポストの数は少ないので、競争が激しくなります。

研究をある年齢で切り上げて、マネジメント等、会社経営に役立つ知識を学ぶことに転換することも考えられます。しかし、それは多くの場合、研究者の自己実現の道ではないでしょう。また、文系の人とは、若い頃の経験ですでに大差がついており、かなりの不利を負うことになります。

応用技術系ならば、技術を生かしたマネジメントで技術担当の管理職になることも考えられますが、基礎研究の場合、研究所の所長はともかく、会社の中で役員待遇まで出世するのは難しいことも多いでしょう。

管理職ではなくても、優れた基礎研究者には役員待遇を保証するような会社に就職することが一つの道でしょう。しかし、そのような会社は多くはないでしょう。

社会を変えることなく、「私の出世」を目指すことは、基礎研究者の場合には特に難しいといえるでしょう。
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技術者の出世

まず、会社の中の技術者の出世について考えます。

技術者が出世するためには、まず会社の世界を外から客観的に見ることが重要でしょう。

会社の中にいると、会社の価値観や考え方が当然のものと思ってしまいがちです。しかし、会社は、特殊な社会であり、外の世界とは価値観や考え方が違っていることが多いでしょう。

会社の考え方に浸っていると、技術者の将来設計について、見方が狭くなりがちです。そして、その狭い見方をしていると、固定観念にとらわれやすくなります。

固定観念を打破し、柔軟な考え方をすることが、出世には必要でしょう。
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