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技術者のユートピア

技術だけに打ち込んでいれば、会社でどんどん出世し、役員待遇が与えられる社会があったらどんなに良いだろうか。

技術者のユートピアといってよいだろう。

残念ながら、現在の状況はそうなっていない。会社で一番地位が高いのは、経営に携わっている経営陣であって、技術者ではない。

この現状を社会的に変えるという方向が理工系の地位向上運動である。

しかし、本ブログでは、「私の出世」という観点から、現状を前提に、理系の出世を考えている。

そうすると、技術者はユートピア思想を捨てて、経営に関係することを広く勉強するということになるだろう。

技術者は、技術だけをすればよいという思想が広がっている。物作り至上主義などもその一例であろう。

マネジメントなどに興味を持つ技術者を、周りの技術者は蔑視したり、技術者から落伍した者とみなすかもしれない。

しかし、そのような考え方は誤りであろう。技術マネジメントや、さらには技術系の会社の経営も、立派な技術職である。

純粋な職人的技術者だけが真の技術者であるという考えを流布させ、五人組のように技術者同士が、経営等に興味を持つことを邪道とする雰囲気こそが、技術者の社会的な地位を押し下げるのである。

出世を目指す技術者は、そのような周りの雑音を無視し、経営に関することを広く勉強することが重要であろう。

技術をより広い視野で捉えていくことが重要となるだろう。技術は単独で存在するのではなく、製品があり、サービスがあり、市場がある。

マーケッティングなどは、広い意味での技術職である。マーケットがどうなるかが分からなければ、どのような製品が必要か、重要な技術が何かがわからず、技術開発の方向性を効果的に定められないからである。

技術者はユートピア思想を捨てて、経営に関係することを広く勉強し、会社経営の中枢にかかわるべきである。そうすれば、社会的な力を得て、技術者のユートピアに近づくために貢献することができるだろう。

すなわち、技術だけに打ち込んでいれば、会社でどんどん出世し、役員待遇が与えられる社会の実現に近づくのである。
技術者、研究者 | comments (3) | -

Comments

rikoukei | 2007/03/17 07:29 AM
自動車会社に入った理由は、当時、周りの誰も持って無く、未来まで食って行けそうだから、という読みは、重要な技術者の能力だと思います。

青色ダイオードの開発の方向性の読みと同じで、こういう能力が技術者には重要と思います。

そういう人は職人肌でマネジメントに興味が無くとも、是非とも会社のマネジメントにかかわって、社会に役立つ技術を生み出すような方向に会社を全社的に導いてほしいですね。
| 2007/03/10 04:03 PM
要は儲けて楽に暮らすには先に技術を開発する事以外は無いが、
その読みは専門馬鹿と見られ勝ちな私の父でも、持ってました。
そもそも自動車会社に入った理由は、当時、周りの誰も持って無く、
未来まで食って行けそうだから、という読みだったそうです。
つまり、中々、先が読み辛い時代なのか、先を読む能力が失われて来たのか。
私が危惧するのは、周りとの会話をしてて圧倒的に後者です。
お互いの技術的バックグランドが違うと会話さえ難しい。
情けない話ですが大学には私の様な学生を出さない事を希望致します。
| 2007/03/10 03:52 PM
私の父も元カーメーカーでエンジンの研究者でしたが、いわゆる職人肌で、
本人もマネジメントには興味が無いタイプとの事でしたが
日ごろの言動から、基本的には今言われて居るユートピアと言うのは
学校、医者、以外には、無いと思われます。ゴーン旋風が吹き荒れた
99年〜00年代初期、私に日産は今に開発がボロボロになるな、と言いびっくりしたのを覚えてます。
また、DieselにたいするHEVの優位も教えてくれました。
7年経った今、実際そんな傾向もみえだしてますが(続)

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