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文系のすごさを認識すること

理系の出世を妨げる最大のものの1つは、文系に対する畏敬の念の欠如であろう。

理系からすると文系は簡単なことをやっているように見える。理系は傲慢になり理系至上主義になってしまう。しかし、これが落とし穴である。

実際には、文系は理系よりも複雑なものを相手にしている。人間や社会である。

自然現象は数学的に記述できる。対象が単純だからである。しかし、人間や社会を数学的に記述することは難しい。対象が複雑だからである。

文系は、より複雑なものに挑んでいる。そのことに対する畏敬の念がないと、文系を侮ってしまう。大きな落とし穴である。

実際に社会において出世という結果を出しているのは、理系ではなく、文系である。そのことの重さを認識する必要がある。

技術屋の経営者は、技術至上主義に落ちってしまう傾向がある。これは、大きな落とし穴である。技術は、経営の一要素にすぎない。

そこで、文系の人の助けを借りなければならない。理系人間に欠けている点を補ってもらう必要がある。

しかし、文系への畏敬の念が欠如していると、うまく人を使えない。

うまく理系を使っている文系は、理系への畏敬の念を持っていることが多い。理系の人も自尊心が満たされる。文系は、理系の人をうまく使って、会社を経営していける。

しかし、逆に理系の人が文系の人を使うのはより難しい。文系の人を使うには、文系の人を尊敬し、畏敬の念を持つ必要があるだろう。

理系が自分の足りない点をきちんと認め、文系に敬意をもって接して初めて、文系は理系の下で気持ちよく働いてくれるであろう。

技術屋の経営者が、技術至上主義にならず、文系の人材をうまく使い、バランスよく会社を経営していくことが重要となるだろう。これは技術屋の経営者だけでなく、管理職をめざす技術者にも重要となるだろう。
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Comments

rikoukei | 2007/03/17 07:39 AM
会社の状態を把握していることは、技術系にも重要と思います。

一研究員の建てた見通しが株主総会にまで行く可能性がある場合、技術以外の考慮要素も株主総会では問題になりうると思われます。

そこで、将来の役員を目指す一研究員であれば、会社の状態を把握して、経営の観点も加味して総合的に見通しを検証すると、理系の世界も、会社を動かしているという実感が増し、よりクールになるかもしれないと思います。
掲示板にも書きましたが | 2007/03/10 03:36 PM
私は理系ですがメーカー内で文系職もちらっとしましたが、実は文系の世界の方が、よりクールです。
費用対効果の予測。訴訟を起こされる可能性。なにより会社の状態を把握している事。
モバイルやVPNや派遣、アルバイト雇用、かなり説得力の有る計画でバリバリ予算を使い導入しています。
逆に特にメーカー研究員始め、技術の場合は、ここをこう開発投資すれば
幾ら儲かる可能性が有ります、とかなり不確かな未来へ踏みださざるを得ません。
一研究員の建てた見通しが株主総会にまで行く可能性は実際有ります。

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